先日、DMM英会話で『英語で教えられる授業で学生の成績は悪化』というタイトルの記事を読む機会がありました。内容はタイトルの通り、英語で授業を受けた生徒の成績が、母語で授業を受けた生徒より成績が悪かったというものです。私自身、子どもの英語教育にはとても関心があるので、どうしていくのがよいか考えてみました。
目次
「イマージョン教育」について
「イマージョン教育」とは
英語を外国語の教科として学ぶのではなく、英語「で」ほかの教科を学ぶことを通じて学習する方法を「イマージョン教育」と言います。「イマージョン」という言葉は、「immerse」(浸す)という単語の名詞で、非母語環境に浸すことでその言語を学ぶ、という意味です。日本でも徐々に広まりつつあり、2020年度には国内初の公立小学校(愛知県豊橋市立八町小学校)でイマージョン教育が導入されました。
「イマージョン教育」のメリット
単語や文法を丸暗記するのではなく、実生活で英語に浸る「イマージョン教育」。そのメリットは、英語で考え、英語を話す力が身につくこと だといわれています。
「イマージョン教育」のデメリット
逆にデメリットとしては、母語の能力が落ちることです。その結果、英語・日本語どちらも中途半端になってしまうことが懸念されています。
イマージョン教育:最新の調査では「スコアが悪い」という結果に?
さて、冒頭のDMM英会話のニュース記事について。元の記事はこちらだと思われます。非英語圏ながら英語力が高いとされるスウェーデンの高等教育において、近年は英語「で」教えられる授業が増えているとのこと。一方、最新の調査結果では 英語で教えられた生徒のほうが、母語で授業を受けた生徒よりスコアが悪かった、という内容でした。英語能力が高いスウェーデン人であっても、母語で学習したほうが理解が深い、ということだと推察します。(言われてみればそれはそうだよな、という気もしますが…。)
イマージョン教育:ハマトン『知的生活のすすめ』より
この記事を読んで真っ先に思い浮かべたのが、ハマトンの『知的生活のすすめ』です。彼は、物事に精通するには時間がとてもかかるので、なるべく勉強する範囲を狭めて無駄なことをしないようにすべき、だと説いています。その文脈の中で、不完全な外国語教育は時間の無駄、とも言っています。誤解を招かないよう補足すると、外国語の学習自体が無駄だと言っているのではなく、外国語を習得するのは並大抵の努力ではできないので、勉強するなら相当な覚悟をもって取り組め、ということだと私は理解しました。
イマージョン教育:我が家の考え方
これらのインプットから、子どもの英語教育をどうしていくべきか、を改めて考えました。これは答えのあるものではないですし、各家庭によって教育方針も異なりますので一概にどうだということはありません。イマージョン教育も良い面、悪い面、両方あります。その上で考えた我が家の結論としては、「小さいうちは絵本やアニメなど、楽しめる範囲で英語に触れさせながら、基本的には日本語の環境(通常の小学校)で勉強するのが良いのかな」ということです。ただ、英語は話せたほうが良いとは思うので、英語に触れられる環境は整えてあげたいなと考えています。みなさんのご家庭ではいかがでしょうか。参考になりましたら幸いです!